DaisyBar

LIVE REPORT

2010.3 MARCH

2010.2.28(月)
<DaisyBar 5th Anniversary前夜祭!!! 夏の魔物〜東京襲来編!冬の陣>
Mr.Freddie&The Mercury devil(青森)/THE WAYBARK(青森)
女王蜂(神戸)/日本マドンナ/ザ・シャロウズ/住所不定無職

 ここ最近十代のバンドが元気が良い。と、書いて、5年間DaisyBarをやってきて、基本的に十代や二十歳前後の、その世代のバンドはいつでも勢いあるし、何かを突破するパワーを持っているバンドが多い訳で、そうしたバンドが育ってくれてDaisyBarを盛り上げてくれていたり、最前線にいたりする訳で、最近に限った事ではないかなと思った。そして、単に若ければ何でも良い訳でもないし、そこから続けるパワーを持つか、突破力を自らのロック的使命とするかに分かれる気もする。
只、その世代のバンドは、リアルにその時代を反映させているのも事実。いつもそうした世代のバンドのライブを見ながら、この2000年に自分が十代だったらどうしているかな、どういう人生を生きるかなーなんて事を考える。ホントいろんな意味で自分が十代だった二十数年前と比べて様々なモノが変わっていて、特に情報量の多さはかなりのモノだし、コミュニケーションツールも変化したし、そこに十代の自分が放り込まれたら、楽しそうだけど、実際は結構シンドイだろうな、と思う。更に尾崎豊を熱狂的に聴いてた十代の頃の自分が、勉強は適度に、ナンバーワンよりオンリーワンを目指しなさい、何て世間から言われた日には、混乱するだろうなーなんて思う。
 5年前、DaisyBar始めて少し経って驚いたのは、リアルタイムの音楽ではなく、60's、50'sのロックや、80年代や70年代の日本のロックバンドの影響を受けている若いバンドが増えてきた事。実際に統計を取った訳でもないし、自分自身がそういうバンドに共感したり親しみを持ったという事は十分あるけれど、只、その少し前は、ニルヴァーナとスーパーカーとくるりと、ok コンピューターなバンドが多かったので(どれも好きですが)、逆にそこまでレイドバックした若いバンドは新鮮だった。当時、既に海外ではロックンロールリバイバルの動きはあったけれど、そうした海外のリアルタイムのロックンロールがこの街箱に届くのは、THE SUZANだったりsister jetだったり、QUATTRO、Veni Vidi Vicious、The Mirraz等々の登場を待ってという事になる訳で、ホントその当時のメインストリームに馴染めない子は、そんな旧き良き時代にレイドバックするのかなーなんて思ったりもした。 そして、やっぱり、この5年間常にパワフルで状況を変えてきたのは、ガールズ、女の子達だ。そしていつも面白かったのが、生活の拠点を東京以外に置くバンド。ホント何か東京にいると見えない事や、見えない視点を思い出させてくれたりする。
すっかり何の事を書いているか分からなくなってきているけれど、DaisyBar3月、5周年のAnniversary月間突入直前、夏の魔物チームが大前夜祭を大開催。と、いう事でこのメンツ。ホント強烈。「世間」や「生」や「現代」に対しての違和感を惜しみなくストレートに鳴らし中指を立てる、異形のロックンロールが鳴り続けるこのイベントを体感しながら、上に書いた様な、今の十代の子達の置かれた状況なんかに思いを巡らせたりしつつ、ガールズパワーに圧倒されたり、住所不定無職の鳴らす、君と僕の何となく交わらない物語にちょっと切なくなったり、そして最終的にTHE WAYBARKのロックンロールショーで昇華、と言うホント盛りだくさんで、リアルな日本の現在をパッケージした様な夜だった。
こう書いていると何かネガティブな気分になった様に取られるかもしれないけれど、決してそんな事は無く、超満員(売り切れ御礼)のお客さんの熱気と共に、そのリアルなパワーと突破力を目の当たりにして、更に新しい何かの始まりを感じたし、本当にこれから面白くなってくるんだろうなーという期待を強く感じた。2010年、これからの10年、本当に何が起こるか分からない、それが起こるのは東京ばかりとは限らない、そんな事を感じさせてくれた優れたバンドが夏の魔物の名の下に、ここ下北沢DaisyBarに全国から集まってくれたのは本当に素晴らしい事だと思ったし、そこから発せられたエネルギーは本当に強烈なライブ経験となった。大致69とだいじぢろうさんに感謝!(加)